ダンまちの神様元ネタ一覧
| 神様 |
出典 |
ダンまちでは |
神話では |
| ヘスティア |
ギリシャ |
ベルの主神。零細ファミリアから始まる |
炉(かまど)の女神。父クロノスに最初に呑まれた長女で、求婚を退けて生涯の処女を誓う |
| ヘファイストス |
ギリシャ |
鍛冶の大派閥の主神。ベルのナイフを打つ |
鍛冶と火の神ヘパイストス。神話では男神で、母ヘラに天から投げ落とされる |
| ウラノス |
ギリシャ |
ギルドの主神。祈りでモンスターを地下に抑え続ける |
原初の天空神。ヘシオドスによれば、生まれた子を大地の奥に押し込めて光の下に出さず、息子クロノスに倒される |
| ゼウス、ヘラ |
ギリシャ |
かつての二大最強派閥。黒竜に敗れ、都市を追われる |
神々の王と、その正妻で結婚の女神 |
| アポロン |
ギリシャ |
ベルを欲しがり、戦争遊戯(ウォーゲーム)を仕掛ける |
予言と音楽の神。恋はたいてい悲劇に終わる |
| ヘルメス |
ギリシャ |
各地を渡り歩く情報通の神 |
神々の伝令で、旅人と盗人の守り神。生まれたその日にアポロンの牛を盗む |
| ディオニュソス |
ギリシャ |
デメテルの農園の葡萄で神酒をつくる |
葡萄酒と陶酔の神 |
| デメテル |
ギリシャ |
農業の派閥。都市の食料を支える |
穀物の女神。娘ペルセポネを冥界に奪われ、悲しみで一年のあいだ大地を実らせない |
| アストレア |
ギリシャ |
正義を掲げた派閥の主神。リューが所属していた |
正義の女神アストライア。オウィディウスでは、血に染まった地上を神々のなかで最後に去る |
| アルテミス |
ギリシャ |
劇場版『オリオンの矢』のヒロイン |
狩りの処女神。狩り仲間の巨人オリオンは、ホメロスでは彼女の矢で死ぬ |
| アレス |
ギリシャ |
軍事国家ラキア王国の主神 |
戦争の神。『イリアス』でゼウスに「最も憎い神」と言われる |
| イケロス |
ギリシャ |
闇派閥と通じる派閥の主神 |
オウィディウスが眠りの神の息子に数える夢の神。獣や鳥や蛇の姿で夢に現れる |
| ロキ |
北欧 |
都市最強クラスのロキ・ファミリアの主神 |
変身するトリックスター。狼フェンリルと大蛇ヨルムンガンドの父 |
| フレイヤ |
北欧 |
美の女神。ロキと並ぶ最強派閥の主神 |
ヴァン神族の愛と美と魔術の女神 |
| ニョルズ |
北欧 |
港町メレンを治める漁業の派閥 |
海と航海と富の神で、フレイヤの父 |
| ガネーシャ |
インド |
象の仮面の神。怪物祭(モンスターフィリア)を開く大派閥 |
象の頭を持つシヴァとパールヴァティーの子。障害を取り除き、物事の始まりを守る |
| ソーマ |
インド |
神酒づくりにしか関心がない。リリの元主神 |
『リグ・ヴェーダ』で神々が飲む霊酒と、その神。インドラはこれを飲んで竜ヴリトラを倒す |
| カーリー |
インド |
アマゾネスの国テルスキュラを治める |
女神ドゥルガーの怒りから生まれた、黒い姿の女神 |
| イシュタル |
メソポタミア |
歓楽街を支配し、フレイヤと張り合う |
愛と戦いの女神で、金星の神 |
| ディアンケヒト |
ケルト |
治療の大派閥。高価な義手を作る |
医神ディアン・ケヒト。戦で腕を失った王ヌアザに銀の腕を作る |
| ミアハ |
ケルト |
貧しい薬屋の主神。義手の代金で借金を背負う |
ディアン・ケヒトの息子。銀の腕を生身の腕に治し、嫉妬した父に殺される |
| ゴブニュ |
ケルト |
鍛冶の派閥。アイズの剣デスペレートを打つ |
トゥアハ・デ・ダナーンの鍛冶神 |
| タケミカヅチ |
日本 |
極東出身の武神。命(みこと)たちに武術を教えた |
『古事記』の雷と剣の神 |
ゼウスとヘラを二柱と数えて24柱です。表に挙げたほかにも、エレボスやタナトスなど、多くの神が神話から名前を取っています。
ベル・クラネルの元ネタは「迷宮のミノタウロス」
舞台は「迷宮都市」オラリオです。ベルは第1巻で、上層に迷い出たミノタウロスに追われてアイズに救われ、第3巻では一人でミノタウロスに挑んで倒し、この死闘を経てレベル2に上がります。この戦いをきっかけに発現したスキルの名が英雄願望(アルゴノゥト)。作中の英雄譚『アルゴノゥト』は、生贄としてミノタウロスに差し出される王女アリアドネを、道化のような青年が救う物語です。
神話の側を並べると、骨組みが重なります。クレタ王ミノスは、名工ダイダロスに造らせた迷宮にミノタウロスを閉じ込め、アテナイから若者を生贄として送らせていました。その一人として乗り込んだテセウスは、王女アリアドネに渡された糸の端を入口に結んで迷宮に入り、怪物を倒すと、糸をたどって帰ってきます。アルゴノゥトという名前は、イアソンが率いたアルゴー船の英雄たち、アルゴナウタイから来ています。
のちにベルとの再戦を望んで現れる黒いミノタウロスは、自分をアステリオスと名乗ります。作中では「雷光」の意味だと説明されますが、ギリシャ語のアステリオスは「星の」という意味で、アポロドロスによれば神話のミノタウロス自身の本名です。オラリオの地下には人造迷宮クノッソスがあり、それを造り続けるダイダロスの一族の末裔ディックスの姓はペルディクス。オウィディウスでは、ダイダロスが才能に嫉妬して突き落とした甥の名です。同じアステリオスはFGOのギリシャ神話サーヴァントにもいます。
ロキとフレイヤの眷族は、名前まで北欧神話
ロキ・ファミリアには、ロキ自身の神話が入っています。ベート・ローガの二つ名は凶狼(ヴァナルガンド)、ティオネ・ヒリュテは怒蛇(ヨルムガンド)。スノッリの『詩語法』は、ロキの呼び名として「ヴァナルガンド(すなわちフェンリル狼)とヨルムンガンド(すなわちミズガルズの蛇)の父」を挙げています。ロキの眷族の二人が、ロキの二匹の子の名を背負っているわけです。ベートの魔法ハティも、月を追いかける狼の名前。副団長リヴェリア・リヨス・アールヴの名には、アールヴヘイムに住む光の妖精、リョースアールヴが入っています。
フレイヤ・ファミリアは、さらに徹底しています。
| 団員 |
ダンまちでは |
北欧神話では |
| オッタル |
団長。猪人(ボアズ)の冒険者 |
『ヒュンドラの歌』でフレイヤが目をかける人間の若者。フレイヤが乗る猪の正体は彼だと、巨人の女ヒュンドラになじられる |
| アレン・フローメル |
猫人(キャットピープル)の副団長。二つ名は女神の戦車(ヴァナ・フレイア) |
スノッリによれば、フレイヤは二匹の猫に引かせた車に乗る |
| ヘディン・セルランド、ヘグニ・ラグナール |
エルフとダークエルフの幹部 |
『ソルリの話』で、フレイヤが首飾りを取り戻す代償として永遠に戦わせる二人の王、ヘジンとヘグニ |
| ガリバー兄弟 |
小人族(パルゥム)の四兄弟。名はアルフリッグ、ドヴァリン、ベーリング、グレール |
同じ話で、フレイヤに首飾りブリーシンガメンを作る四人の小人と同じ名前 |
| ヘルン |
フレイヤの侍従頭 |
スノッリがフレイヤの別名として挙げるホルン(Hörn) |
※ネタバレ注意: 次の段落は、アニメ第5期で明かされる展開に触れます。
酒場「豊穣の女主人」の看板娘シル・フローヴァのシルも、スノッリがホルンと並べてフレイヤの別名に挙げるシュール(Sýr)と同じ名前です。
アポロンとヘルメスの眷族は、神話の誰か
アポロン・ファミリアの主な団員三人は、全員がアポロンの神話の登場人物です。団長ヒュアキントス・クリオのヒュアキントスは、アポロンが愛し、円盤投げの事故で死なせた少年で、アポロドロスはその母をムーサのクレイオーとしています。ダフネ・ラウロスのダフネは、アポロンから逃れて月桂樹になったニンフ(月桂樹はラテン語でラウルス)。カサンドラ・イリオンのカッサンドラは、アポロンから予言の力を授かりながら彼を拒んだため、誰にも信じてもらえなくなった王女です。イリオンはトロイアの別名。作中のカサンドラも、予知夢を見ても信じてもらえません。
ヘルメス・ファミリアの団長アスフィ・アル・アンドロメダの二つ名は万能者(ペルセウス)。ペルセウスは、海の怪物の生贄にされた王女アンドロメダを救って妻にした英雄です。アスフィが作る空飛ぶサンダル「タラリア」と姿を消す道具「ハデス・ヘッド」も、ペルセウスがメドゥーサ退治のために手に入れた翼のあるサンダルと闇の兜から来ています。その旅でペルセウスを導いたのが、ヘルメスでした。
ケルトと日本から来た眷族
ロキ・ファミリア団長のフィン・ディムナの元ネタは、アイルランドの英雄フィン・マックールです。フィンの幼名はデムナ。知恵の鮭を焼いていて親指を火傷し、その指をしゃぶったことで知恵を得ました。ダンまちのフィンも、危険が迫ると親指がうずきます。小人族がかつて信仰した女神の名フィアナも、伝説のフィンが率いた戦士団の名です。
ミアハ・ファミリアのナァーザは、失った右腕の代わりに義手「銀の腕(アガートラム)」をつけています。アイルランドの『マグ・トゥレドの戦い』では、戦で腕を失った王ヌアザに、医神ディアン・ケヒトが銀の腕を作りました。息子ミアハはその腕を生身の腕に治し、嫉妬した父に殺されます。ミアハがディアンケヒトに借金を負わされているダンまちの関係は、この親子の確執と重なります。
ヤマト・命が使う重力の魔法はフツノミタマ。『古事記』で、タケミカヅチが神武天皇の軍を救うために天から降ろした剣の名です。タケミカヅチは国譲りの場面で、出雲の浜に逆さに突き立てた剣の切っ先にあぐらをかき、力比べを挑んだタケミナカタを投げ飛ばした神でもあります。仲間の名字カシマとヒタチは、この神を祀る鹿島神宮と、その旧国名の常陸を思わせます。春姫の魔法ウチデノコヅチの名は、一寸法師の背丈を伸ばした打ち出の小槌から来ています。
ここまでに出てきたインド、メソポタミア、ケルト、日本の神話は、まだMythologyNowに入っていません。聴いて学べる神話アプリMythologyNowが語っているのは、今のところギリシャ、北欧、エジプトの102の物語で、次にどの神話を加えるかはユーザーの投票で決まります。ギリシャ神話なら、ヘスティアたちがクロノスに呑み込まれるゼウスの台頭、ヘパイストスが天から投げ落とされるヘパイストス 炎と復讐、ミノタウロスと迷宮が生まれるミノタウロス、ベルの元ネタの英雄が迷宮に挑むテーセウスを1話5分の朗読で聴けます。どれも第1章は、このサイトで最後まで再生できます。
よくある質問
ダンまちの神様は実在する神話の神ですか?
はい。神として登場するキャラクターは、ギリシャ、北欧、インド、メソポタミア、ケルト、日本などの神話の神から名前を取っています。ただし性別や性格は自由に変えられていて、たとえば神話のヘパイストスは男神ですが、ダンまちのヘファイストスは女神です。眷族の二つ名や魔法の名前にも、神話の言葉が数多く使われています。
ベル・クラネルの元ネタは誰ですか?
物語の骨組みは、ギリシャ神話のテセウスに重なります。迷宮でミノタウロスと戦い、そのあとに発現するスキルの名は、ミノタウロスの生贄にされる王女アリアドネを救う英雄譚『アルゴノゥト』から取られています。アルゴノゥトという名前そのものは、イアソンとアルゴー船の英雄たち、アルゴナウタイから来ています。
ヘスティアとヘファイストスは神話でも仲がいいのですか?
二柱の友情を語る神話はありません。共通点は火で、ヘスティアは家の中心で燃える炉の火、ヘパイストスは鍛冶場の火の神です。神話のヘパイストスはヘラの息子なので、ヘスティアはその伯母にあたります。女神に頼まれてヘパイストスが英雄のために武具を打つ場面なら、母テティスの願いでアキレウスの盾を鍛える『イリアス』にあります。
ロキとフレイヤは神話でも対立していますか?
ダンまちほどの勢力争いではありませんが、因縁はあります。『ソルリの話』では、ロキがオーディンの命令でフレイヤの首飾りブリーシンガメンを盗み出します。エッダの『ロキの口論』では、神々の宴でロキがフレイヤを口汚く罵り、この場面はMythologyNowのロキの口論 ロカセンナでも聴けます。