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【進撃の巨人 元ネタ】北欧神話との共通点7つ|始祖ユミル・壁・道の大樹・地鳴らしを徹底解説

※ネタバレ注意: この記事は原作の最終話まで、アニメ『進撃の巨人 The Final Season 完結編』までの内容に触れます。

短い答え: 『進撃の巨人』で北欧神話から来ているとはっきりわかるのは、すべての巨人の始まりである「始祖ユミル」の名前です。北欧神話のユミルも最初に生まれた巨人で、すべての巨人の祖とされます。名前だけではありません。人類を巨人から守る「壁」、すべてのユミルの民をつなぐ「道」と大樹、世界を踏みならす「地鳴らし」にも、北欧神話が語る世界の作られ方と終わり方によく似た構図があります。

ここでは、作中の設定と北欧神話の原典(13世紀アイスランドの『エッダ』)を並べて、重なる点と違う点を7つに整理します。

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進撃の巨人と北欧神話の共通点一覧

『進撃の巨人』 北欧神話 重なる点
始祖ユミル 原初の巨人ユミル すべての巨人の始まり
ユミルの民 ユミルから生まれた巨人族 始まりの名を継ぐ一族
ユミルの死と力の継承 ユミルの死と世界の創造 始まりの巨人の死から、次のすべてが始まる
三重の壁 ミズガルズの垣 人間の世界を巨人から守る囲いが、巨人の体でできている
「道」と光の大樹 世界樹ユグドラシル すべてをつなぐ一本の巨大な木
地鳴らし ラグナロク 巨人の大群が世界を踏みつぶそうとする
九つの巨人 九つの世界 九という数

1. 始祖ユミルと、原初の巨人ユミル

作中の始祖ユミルは、およそ2000年前に巨人の力を手にした少女です。大樹の根元のうろに落ち、そこで得た力によって最初の巨人になりました。

北欧神話のユミルは、世界がまだ何もなかった時代に生まれた存在です。氷の国ニヴルヘイムと炎の国ムスペルヘイムのあいだに口を開けた裂け目ギンヌンガガプで、溶けた氷のしずくから生まれ、牝牛アウズンブラ(アウズフムラとも表記されます)の乳で育ちました。神々よりも先にいた、最初の巨人です。

どちらの物語でも、ユミルは「最初の一人」であり、そこからすべての巨人が始まります。

2. ユミルの民と、ユミルの子孫の巨人族

作中では、始祖ユミルの子孫が「ユミルの民」と呼ばれ、彼らだけが巨人になることができます。

北欧神話でも、巨人族はユミルの体から生まれました。眠っているユミルの脇の下から男と女が生まれ、片方の足がもう片方の足と交わって息子が生まれた、と『スノッリのエッダ』は書いています。霜の巨人たちはみな、ユミルの血を引く一族です。始まりの巨人の名とその血が、一つの種族を決めているところが同じです。

3. 始まりの巨人の死から、すべてが始まる

作中の始祖ユミルは、力を得てから13年後に命を落とします。その力は三人の娘、マリア、ローゼ、シーナに受け継がれ、やがて「九つの巨人」に分かれていきました。

北欧神話のユミルは、主神オーディンと弟のヴィリ、ヴェーに殺されます。流れ出た血の洪水で霜の巨人はほとんど溺れ、生き延びたのはベルゲルミルとその妻だけでした。三兄弟はユミルの体から世界を組み立てます。肉は大地に、血は海に、骨は山に、頭蓋骨は空になりました。

一人の巨人の死が、物語の世界そのものの出発点になる。この形が、二つの物語のいちばん深いところで重なっています。神話の側の詳しい流れはユミルとはの記事で解説しています。

4. 巨人の体でできた壁と、ミズガルズの垣

作中の人類は、マリア、ローゼ、シーナという三重の壁の内側で暮らしています。そして物語が進むと、その壁の中に無数の超大型巨人が埋まっていることが明かされます。人間を巨人から守る壁が、巨人の体でできていたのです。

北欧神話にも、そっくりの構図があります。神々はユミルの体から世界を作ったあと、そのまつげ(眉とする訳もあります)で、人間の住む世界ミズガルズのまわりに垣を巡らせました。巨人たちから人間を守るためだと書いているのは『スノッリのエッダ』の「ギュルヴィたぶらかし」で、古い詩「グリームニルの歌」も、ミズガルズはユミルのまつげから作られたと歌っています。

巨人を防ぐための囲いが、始まりの巨人の体から作られている。七つの共通点の中でも、いちばん驚かされる一致です。

5. 「道」の大樹と、世界樹ユグドラシル

作中の「道」は、すべてのユミルの民がつながっている場所です。星空の下の砂の世界に、光でできた巨大な木のような姿が立ち、始祖ユミルはそこで2000年のあいだ巨人を作り続けていました。始祖ユミルが力を得たのも、大樹の根元でした。

北欧神話の世界の中心には、世界樹ユグドラシルが立っています。巨大なトネリコの木で、三本の根を神々、巨人、死者の国へと伸ばし、九つの世界を支えるとされています。根元では運命の女神たちが泉の水をかけて木を守っています。すべての世界がつながる場所が一本の木の姿をしている点で、「道」の大樹とよく似ています。九つの世界の全体像は北欧神話の九つの世界一覧でどうぞ。

6. 地鳴らしと、ラグナロク

物語の最後に起こる「地鳴らし」では、壁の中に眠っていた巨人たちが目を覚まし、大地を踏みならしながら世界を進んでいきます。

北欧神話の世界の終わり、ラグナロクでは、夏の来ない冬が三度続いたあと(フィンブルの冬)、霜の巨人と炎の巨人スルトの軍勢が神々の世界へ攻め込み、大蛇ヨルムンガンドが海からせり上がり、最後には炎が世界を焼き尽くします。巨人の大群が世界を踏みつぶそうとする流れが、地鳴らしと重なります。『スノッリのエッダ』は、ラグナロクのときには大地全体が揺れ、山々が崩れると書いていて、文字どおりの「地鳴らし」でもあります。

違いもあります。ラグナロクでは、焼けた世界のあとに新しい大地が海から浮かび上がり、生き残った神々と人間がもう一度やり直します。ラグナロクの全体はラグナロクとはで原典どおりに追えます。

7. 九つの巨人と、九つの世界

作中では始祖ユミルの力が九つの巨人に分かれ、北欧神話の世界は九つに分かれています。どちらの世界も「九」で組み立てられています。九は北欧神話で特別な数で、オーディンがルーンの秘密を得るために、世界樹とされる木に吊るされたのも九夜でした。ただし、これは数の一致で、九つの巨人の一体一体が九つの世界に対応しているわけではありません。

違うところ

北欧神話と名前や構図を重ねながら、まったく別の物語として組み立てられているのが『進撃の巨人』だと言えます。

聴いて学べる神話アプリMythologyNowでは、ユミルが生まれて殺されるまでをユミル、アウズフムラ、そして最初の創造で、世界の終わりをラグナロク 神々の黄昏で、1話5分の日本語の朗読で聴けます。第1章は、このサイトで最後まで再生できます。北欧神話をひととおり知りたい人は北欧神話のあらすじと神々一覧からどうぞ。

よくある質問

進撃の巨人の元ネタは北欧神話ですか?

名前がはっきり一致しているのは、始祖ユミルと北欧神話の原初の巨人ユミルです。そのほかにも、巨人の体でできた壁とミズガルズの垣、「道」の大樹と世界樹ユグドラシル、地鳴らしとラグナロクなど、北欧神話の世界の作られ方と終わり方によく似た構図がいくつもあります。

始祖ユミルと北欧神話のユミルは同じですか?

同じ人物ではありません。北欧神話のユミルは、その体から大地や海や空が作られた原初の霜の巨人です。作中の始祖ユミルは、大樹の根元で巨人の力を得た少女です。どちらもすべての巨人の始まりという点が共通しています。

進撃の巨人は北欧神話のパクリですか?

北欧神話は800年ほど前にアイスランドで書き残された神話で、多くのマンガやゲームが名前や設定を借りています。『進撃の巨人』も、名前は北欧神話から来ていて、構図にも重なる点が多いですが、人を食べる巨人や壁の中の社会、物語の展開は作品独自のものです。元ネタを知ると、作品と神話がどこで重なるのかが見えてきます。

ユミルの民とは北欧神話で何にあたりますか?

北欧神話でいえば、ユミルの体から生まれた霜の巨人の一族にあたります。始まりの巨人の血を引く者たちだけが一つの種族をなしている点が、ユミルの民とよく似ています。

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