ブログ

【元ネタ】『風の谷のナウシカ』の名前はギリシャ神話から|王女ナウシカアを徹底解説

短い答え: 『風の谷のナウシカ』の名前の元ネタは、ホメロスの『オデュッセイア』に登場するパイアケス人の王女ナウシカアです。宮崎駿は、ギリシャ神話の小事典で彼女のことを知り、日本の『堤中納言物語』の「虫めづる姫君」の姿と重ね合わせて主人公を生み出したと語っています。原典のナウシカアは、嵐で難破し、裸で浜に打ち上げられたオデュッセウスを前にして、侍女たちが逃げ出す中で一人だけその場に残り、彼を助けた少女です。

この神話を音声で聴こう

iPhoneでダウンロードAndroidでダウンロード

『オデュッセイア』のナウシカア

ナウシカアは、海の民パイアケス人の国スケリアを治めるアルキノオス王と、王妃アレテの娘です。『オデュッセイア』の第6巻から第8巻に登場します。

ある夜、女神アテナがナウシカアの友人の姿で夢に現れ、結婚の日も近いのだから、川で衣を洗っておきなさいと告げます。翌朝、ナウシカアは侍女たちと川へ出かけ、洗濯を終えると浜辺で毬遊びを始めました。

その声で目を覚ましたのが、何日も海を漂ったすえに流れ着いたオデュッセウスです。体は潮にまみれ、身を隠すのは手で折った木の枝だけ。侍女たちは悲鳴を上げて逃げ散りますが、アテナに勇気を与えられたナウシカアだけは、その場にとどまって彼の言葉を聞きました。

一人だけ逃げなかった少女

ナウシカアはオデュッセウスに衣と食べ物を与え、町への道を教えます。ただし賢い少女でもありました。見知らぬ男と一緒に町へ入れば噂になると考え、途中からは一人で来るように言い、宮殿に着いたら父ではなく母アレテに願い出るよう助言します。この助言が、オデュッセウスが故郷イタケへ送り届けてもらうきっかけになりました。

別れの場面で、ナウシカアは短い言葉を残します。「故郷に帰っても、わたしのことを忘れないでください。あなたの命を最初に救ったのは、わたしなのですから」。オデュッセウスは、故郷に帰り着いたら、神に祈るように毎日あなたに祈ると約束しました。

宮崎駿が名前を借りた理由

宮崎駿は、ナウシカアについて原典よりも先に、バーナード・エヴスリンのギリシャ神話の小事典で出会ったと書いています。ゼウスよりも多くの紙幅を割かれたその項目の少女に強く惹かれ、虫を愛して周囲から変わり者扱いされた「虫めづる姫君」と重ね合わせたことが、主人公ナウシカの出発点になりました。

名前を借りたからといって、二人がまったく同じ人物というわけではありません。それでも、誰もが逃げ出す相手の前に一人で踏みとどまり、恐れるより先に相手を理解しようとする姿は、確かに両者に共通しています。

その後のナウシカア

『オデュッセイア』では、ナウシカアとオデュッセウスが結ばれることはありません。オデュッセウスには故郷で待つ妻ペネロペがいました。

ただ、古代の著述家の中には、ナウシカアはのちにオデュッセウスの息子テレマコスと結婚したと伝える人もいます。父を救った少女が息子の妻になるという、ホメロスが書かなかった続きです。テレマコスについてはテレマコスとはで解説しています。

オデュッセウスが出会った女性たちはオデュッセイアを動かす女たちカリュプソー、航海の全体像はオデュッセイアを10の寄港地で読むでどうぞ。アプリMythologyNowではオデュッセイアを9章のオーディオドラマとして聴けます。

よくある質問

風の谷のナウシカの名前の元ネタは何ですか

ホメロスの叙事詩『オデュッセイア』に登場するパイアケス人の王女ナウシカアです。宮崎駿はギリシャ神話の事典で彼女を知り、『堤中納言物語』の「虫めづる姫君」と重ね合わせて主人公を生み出したと語っています。

ナウシカアとは誰ですか

パイアケス人の国スケリアの王アルキノオスと王妃アレテの娘です。浜辺に打ち上げられた難破中のオデュッセウスを、侍女たちが逃げる中で一人だけ助け、衣と食べ物を与えて宮殿への道を教えました。

ナウシカアはオデュッセウスと結ばれたのですか

『オデュッセイア』では結ばれません。オデュッセウスは故郷の妻ペネロペのもとへ帰ります。ただし古代の一部の著述家は、ナウシカアがのちにオデュッセウスの息子テレマコスと結婚したと伝えています。

ナウシカアは『オデュッセイア』のどこに登場しますか

第6巻から第8巻です。第6巻で浜辺でオデュッセウスと出会い、第7巻で彼が宮殿に迎えられ、第8巻の宴の場面で別れの言葉を交わします。

続けて読む

この神話を音声で聴こう

MythologyNow 公開中。サーガを完走するとそのカードを解放。

iPhoneでダウンロードAndroidでダウンロード