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【完全版】世界の竜・ドラゴン14体一覧|ヤマタノオロチから中国の龍まで徹底解説

要するに: 物語を語ってきた文化のほとんどが、巨大な蛇の話を持っています。ヨーロッパや西アジアでは、たいてい英雄が倒すべき相手です。ヨルムンガンドは世界の終わりにトールを待ち、ファフニールは呪われた黄金の上に伏せています。いっぽう中国、日本、インド、メソアメリカでは、同じ姿がしばしば雨と海と王権の神になります。世界の14の竜と、それぞれが背負っているものを並べてみます。

世界の竜リスト

神話 何を表すか
ヨルムンガンド 北欧 世界を一周し、自分の尾をくわえて輪を閉じるほど長い大蛇。水平線そのものであり、ラグナロクでトールを待つ死でもある
ニーズヘッグ 北欧 腐朽。世界樹ユグドラシルの根をかじり続ける。世界は立っているあいだずっと、下から食われている
ファフニール 北欧 強欲が形をとったもの。呪われた黄金を抱えこむうちに竜と化した人間で、トールキンのスマウグの直接の祖先
ラドンとピュトン ギリシャ 聖なるものに巻きつく蛇。ラドンは百の頭で黄金の林檎を守り、ピュトンはデルポイを占めていたがアポロンに神託所を奪われた。巫女がピュティアと呼ばれたのはそのため
ヒュドラ ギリシャ 攻撃するほど増える難題。首を1本切れば2本生えてくる
テュポン ギリシャ 最大規模の混沌。百の蛇の頭を持ち、ゼウスから天を奪いかけた唯一の存在
アペプ(アポフィス) エジプト 秩序への夜ごとの襲撃。太陽神ラーの船を毎晩待ち伏せる。神官はラーを助けるための儀礼を行った。日の出は当然のものではなかった
ティアマト メソポタミア 塩水の海そのものである女神で、最初の神々の母。敗れたあと、その体から世界が作られる
龍(ロン) 中国 雨と川、そして統治の正統性。翼も宝の山もなく、討伐に来る英雄もいない。吉祥の存在であり、長らく皇帝そのものの象徴
ヤマタノオロチ 日本 出雲の八岐大蛇。スサノオが八塩折の酒で酔わせて斬り、その尾から出た剣(天叢雲剣、のちの草薙剣)が皇位のしるしの一つとなる
龍神(リュウジン) 日本 海そのもの。海中の宮から潮を司る神で、漁や航海の人々が武器ではなく祈りをもって向き合ってきた相手
ヴリトラ ヒンドゥー 干魃。水をせき止める蛇で、インドラに討たれて川が再び流れ出す
ヴァースキとシェーシャ ヒンドゥー 宇宙の構造としての蛇。ヴァースキは乳海攪拌の綱として使われ、シェーシャはとぐろの上に世界を載せる
ケツァルコアトル メソアメリカ 羽毛のある蛇。創造、風、知恵、王権の神。倒すべき獣ではなく、人にトウモロコシと知識を与える存在

西は倒し、東は祀る。その理由

14体を並べると、線の引かれ方がはっきり見えます。北欧、ギリシャ、エジプトでは、竜は秩序を脅かすものであり、物語はその戦いです。アポロンはデルポイを奪い、ヘラクレスはヒュドラを片づけ、トールとヨルムンガンドはラグナロクで相討ちになります。誰よりも古いティアマトでさえ、まず倒され、そのあとで天と地になります。

東と南に移ると、同じ蛇の形が逆の意味を帯びます。中国の龍は田畑に雨を、王朝には正統性をもたらします。龍神は潮を司ります。ヴァースキは創造の綱として体を貸し、シェーシャは宇宙を支えます。ケツァルコアトルは災いではなく、建国の神です。

どちらの側にも例外があり、そこが面白いところです。ヴリトラは、インド・ヨーロッパ語族の伝統のなかで嵐の神に討たれる蛇であり、西側の型がインドに現れた例と言えます。ヤマタノオロチは確かに討たれる怪物ですが、その尾から得られた剣は、ため込むべき戦利品ではなく神宝になります。日本の水の蛇は一様ではなく、討たれるオロチと、祀られる龍神や各地の水神が並び立っています。変わるのは生き物ではなく、水と未知を何とみなすかです。倒すべき敵とみるか、恵みが続くように敬うべき力とみるか。

怪物の側をもっと読みたい場合は、ギリシャ神話のモンスター12体が誰が誰を倒したかを、九つの世界がニーズヘッグのかじる樹の構造を解説しています。

よくある質問

神話で最も大きい竜は?

測り方によって候補が2つあります。ヨルムンガンドは世界を丸ごと取り巻き、自分の尾をくわえるほど長いので、その大きさは地上世界の大きさそのものです。ティアマトはもっと奇妙な意味で大きい存在です。世界を取り巻くのではなく、分かたれた体から宇宙が作られるので、世界そのものになります。

中国の龍とヨーロッパのドラゴンは同じ系統?

別系統です。それぞれ独立した伝統から生まれ、性質も違います。龍は翼も財宝も持たない水と天の吉祥の存在で、ヨーロッパのドラゴンは宝を守る敵対的な怪物です。両者が英語で同じ dragon という一語に収まったのは、近代の翻訳が手持ちの最も近い語をあてたためで、その便宜がそのまま定着しました。

いちばん古いのはどれ?

実際に文字で読める最古の層は、西アジアとエジプトの混沌の蛇です。メソポタミアのティアマトと、ラーの敵であるアペプは、ファフニールやヒュドラよりはるかに早く書き記されています。北欧やギリシャの竜は、とても古い一族の後発のメンバーです。

14の竜は、世界が何でできているかについての14の考え方でもあります。MythologyNowでは、声と嵐と海の音で、これらの物語をオーディオドラマとして聴けます。まずはヨルムンガンドから。全体像が先に欲しければ北欧神話まとめへどうぞ。

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