短い答え: ヘスペリデスの園とは、世界の西の果て、アトラス山脈のさらに向こうにある果樹園で、そこに黄金の林檎の木が生えています。この木はガイアがヘラとゼウスの結婚を祝って贈った婚礼の品でした。守るのは「宵の娘たち」ヘスペリデスと、決して眠らない百頭の蛇ラドン。ヘラクレスは十一番目の功業でこの林檎を三個持ち帰りますが、自分の手では一個も摘んでいません。
地図の端にある園
ギリシャ人にとって、西とは「物事の終わり」でした。太陽が沈み、知られた海岸線が途切れる方角です。園はまさにその境目、アトラスが天を支えて立つ山々の向こう、世界が終わる手前の最後の土地に置かれています。古代の著述家はこの園を北アフリカに、リビュアに、あるいは誰も二度と指し示せない大洋の島に置きました。この曖昧さこそが本質です。地平線が実在するのと同じ意味で実在する場所、つまり近づくと遠ざかる場所なのです。(この種の土地は実際に訪れられる神話の場所にもまとめてあります。)
宵の娘たちと、ヘラが雇わざるをえなかった竜
ヘスペリデスは「宵の娘たち」、日没と黄金の光のニンフです。人数は資料によって食い違い、通常は三姉妹、四人とも七人とも伝わります。名前も揺れており、アイグレ、エリュテイア、ヘスペリア、アレトゥサなどが挙げられます。どの伝承も一致するのは一点だけ。彼女たちはその園で一日じゅう歌っています。
そして、竜が置かれた理由も彼女たちにあります。守るはずの林檎を、番人自身がつまみ食いしていたのです。そこでヘラはラドンを呼び寄せました。幹に巻きついた、頭が百ある蛇です。ラドンが眠らないのは、眠る必要がないからです。百の頭が交代で休むので、必ずどこかの目が開いている。番人が自分の守る園から盗んでいたので、所有者は最初の番人を見張る二番目の番人を雇った。神話全体でいちばん人間くさい一節です。ラドンがギリシャ神話の怪物ランキングで上位に入るのも当然でしょう。
園の登場人物
| 名前 | 何者か | 役割 |
|---|---|---|
| ヘスペリデス | 宵のニンフ。アイグレ、エリュテイア、ヘスペリア、アレトゥサなど | 園の世話をし、歌い、こっそり林檎を食べる |
| ラドン | 百の頭を持つ蛇あるいは竜 | 木に巻きつき決して眠らない。盗人もニンフも見張る |
| ヘラ | 神々の女王、ゼウスの妻 | 木の持ち主。竜を配置した張本人 |
| アトラス | 近くで天を支えるティタン。ニンフたちの父または縁者 | 唯一、自由に林檎を摘める存在 |
| ヘラクレス | 十一番目の功業に挑む英雄 | 木に一度も触れずに林檎を持ち去る |
第十一の功業、会話だけで勝った唯一の任務
ヘラクレスは力ずくで木に近づこうとはしません。彼が探すのはアトラスです。ティタン戦争以来ずっと天を肩に載せ続け、ヘスペリデスの父あるいは縁者にあたる巨人。ヘラクレスはこう持ちかけます。「天はおれが代わりに担ぐ。あんたが林檎を取ってきてくれ」
アトラスは応じます。何百年も同じ姿勢でいれば、どんな用事でも今よりましに聞こえるからです。彼は黄金の林檎を三個もいで戻り、天空の重みを全部背負って立つヘラクレスを眺め、実にいい考えを思いつきます。林檎は自分が届けよう、すぐ戻る、と。もちろん戻る気はありません。
ヘラクレスは「いいとも」と答えます。喜んで、まったく問題ない、ただ肩当てを直したいので一瞬だけ天を持っていてくれ、これがどうにも痛くて、と。アトラスは林檎を置き、天を持ち上げます。ヘラクレスは林檎を拾い、そのまま歩き去りました。矢も棍棒もライオンの毛皮も使わず、会話だけで達成された唯一の功業です。
その後の林檎と竜、そしてもう一つの黄金の林檎
林檎は手元に残りません。園の外に置くことは許されていなかったので、功業が認められるとアテナがそれを木へ返します。ラドンの結末は聞こえるほど悲惨ではありません。彼は天に上げられてりゅう座になり、今も巻きついたまま天の北極を取り巻き、今も眠らずにいます(同じ例は星座の記事へ)。
一つ注意です。この二つは本当によく混同されます。エリスが結婚式に投げ込んだ「最も美しい女神へ」と刻まれた黄金の林檎は、別の林檎であり別の物語で、あちらはトロイア戦争の引き金になります。全容は不和の女神エリスに、二つの林檎はどちらも神話の名品まとめに登場します。
よくある質問
ヘスペリデスの園はどこにありましたか?
世界の西の果て、アトラス山脈の向こう、太陽が沈む土地です。古代の著述家は北アフリカ、リビュア、あるいは遠い大洋のたどり着けない島に位置づけました。もともと地図に載る場所として語られてはいません。地図が終わるところ、それがこの園です。
ヘラクレスはどうやって黄金の林檎を手に入れたのですか?
力ではなく策略です。天の重みを引き受ける代わりに、アトラスに林檎を摘んできてもらいました。戻ったアトラスが「自分で届ける」と言い出し、ヘラクレスを永久に天の下へ縛りつけようとしたとき、ヘラクレスは承知したうえで、肩当てを当てる間だけ天を持ってほしいと頼みます。アトラスが受け取った瞬間、ヘラクレスは林檎を拾って立ち去りました。
不和の黄金の林檎と同じものですか?
いいえ、別物です。不和の林檎はエリスがペレウスとテティスの婚礼で女神たちの間へ投げた一個の林檎で、パリスの審判からトロイア戦争へつながります。ヘスペリデスの林檎は世界の果ての守られた木の実で、功業のために持ち出され、そのあと園へ返されます。林檎も神話も結末も別です。
ラドンの百の頭も、出し抜かれたと気づいた瞬間のアトラスも、MythologyNowなら一本の映画のように聴けます: ヘラクレス、英雄のなかの英雄。



