短い答え: ゼウスの母はティタン神族のレア。クロノスの姉妹であり妻でもあります。クロノスは「息子に王座を奪われる」という予言を避けるため、生まれた子を次々に呑み込みました。そこでゼウスが生まれたとき、レアは彼をクレタ島の洞窟に隠し、夫には産着にくるんだ石を渡します。クロノスは中を見もせずに呑み込みました。
レアはギリシャの神々全体が回転する蝶番です。それなのに、彼女の名を口にする人はほとんどいません。
一人ずつ失われた5人の子
クロノスはその予言を自分の親から聞いていました。自分が父にしたことを、いずれ自分の息子が自分にする、と。彼の解決策は、生まれたばかりの子をレアの腕から奪い、丸呑みにすることでした。それを5回繰り返します。ヘスティア、デメテル、ヘラ、ハデス、ポセイドン。全員が同じ道をたどりました。順番と、それぞれがのちに何になったかはクロノス、ゼウスの父にまとめてあります。
ヘシオドスはレアへの影響を率直に書いています。「尽きることのない悲しみ」。見落とされがちなのは、彼女が結末を正確に知りながら、5回の妊娠を出産まで運んだという事実です。
彼女が立ち止まった夜
6人目を身ごもったレアは、自分の母ガイアのもとへ行き、策を求めました。ガイアとウラノスは、どこへ行き何をすべきかを教えます。レアはクレタ島へ渡り、夜、人目を避けてイダ山の洞窟で出産しました(ディクテ山とする資料もあり、古代のクレタ人自身も論争していました)。ガイアは赤子を受け取り、隠します。
そのあとレアは夫のもとへ戻り、新生児ほどの大きさの産着にくるんだ石を、その手に渡しました。クロノスは見もせずに呑み込みます。仕掛けはそれだけです。彼は自分のやり方を信じきっていて、確かめなかったのです。
ゼウスを育てたのは誰か
赤子は牝山羊アマルテイアの乳と蜜で育てられ、クレテス(クーレーテス)が守りました。武装した若者たちが洞窟のまわりで踊り、槍を盾に打ちつけて、外に赤ん坊の泣き声が届かないようにしたのです。ニンフたち、地上でも天でも海でもない場所に子を置くために木から吊るされた黄金の揺りかご、物音をかき消す雌豚の鳴き声を加える異伝もあります。どの版でも要点は同じです。ゼウスは父の手の届かない場所で育ちました。
最初に出てきたのは石だった
成人したゼウスは、クロノスに呑み込んだものを吐き出させます。5人のきょうだいは生きたまま、成長した姿で、逆の順番で出てきました。末子のゼウスが長兄としてふるまうのはそのためです。そして最初に出てきたのは、きょうだいの誰でもなく、あの石でした。
ゼウスはその石をデルフォイに据え、石はオンファロス、すなわち世界のへそとしてそこに残りました。パウサニアスは2世紀にそれを実見し、毎日油が注がれていたと記しています。その物体が実際に何であれ、物語が最初に語られてから千年以上たっても、人はそこまで歩いていって眺めることができたのです。
レアの子ども一覧
| 子 | どうなったか |
|---|---|
| ヘスティア | 最初に呑まれ、最後に吐き出される。炉の女神 |
| デメテル | 二番目に呑まれる。収穫の女神、ペルセポネの母 |
| ヘラ | 三番目に呑まれる。オリュンポスの女王、ゼウスの妻 |
| ハデス | 四番目に呑まれる。冥界の王 |
| ポセイドン | 五番目に呑まれる。海の神 |
| ゼウス | クレタ島に隠される。代わりに石が呑まれた |
| 石 | 最初に吐き出され、デルフォイにオンファロスとして据えられる |
オリュンポス十二神の全員が、洞窟でレアが下したひとつの決断の向こう側に存在しています。
よくある質問
ゼウスの母は誰?
ティタン神族のレアです。ウラノスとガイアの娘で、クロノスの姉妹であり妻。ヘスティア、デメテル、ヘラ、ハデス、ポセイドンの母でもあります。
なぜレアはクロノスに石を渡したの?
夫が「息子に倒される」という予言を防ぐため、生まれた子を全員呑み込んでいたからです。産着にくるんだ石は、ゼウスを生かしておく唯一の方法でした。
ゼウスはどこで生まれた?
クレタ島の洞窟です。古代の資料はイダ山とディクテ山を挙げ、決着はつきませんでした。そこで牝山羊アマルテイアの乳で育てられ、クレテスに守られました。
レアの計略、クレタ島の洞窟、そのあとに続いた戦争。MythologyNowのオーディオドラマで。



